PERとは|株価の割高・割安を見極める投資指標
はじめに:株価評価に欠かせない3つの指標
株価を評価する際には、投資指標と呼ばれる判断基準が使われます。 その中でも、投資初心者がまず知っておくべき重要な指標が以下の3つです:
| 指標 | 意味 | 計算式 | 投資判断の目安 |
| PER(株価収益率) | 株価が利益に対して割高か割安か | 株価 ÷ 1株あたり利益(EPS) | 15倍前後が目安 |
| PBR(株価純資産倍率) | 株価が企業の純資産と比べて割高か割安か | 株価 ÷ 1株あたり純資産(BPS) | 1倍以下なら割安の可能性 |
| ROE(自己資本利益率) | 自己資本を使ってどれだけ利益を出しているか | 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100 | 高いほど効率的な経営 |
今回はこの中でも「PER」に注目して解説します。
※PBR、ROEについては、下記の記事で解説しています。
PERとは何か?
ズバリ、PERとは「株価が企業の利益に対して割高か割安かを示す指標」です。
初心者がまず知っておくべき水準は以下の通りです:
| PERの水準 | 解釈 |
| 10倍以下 | 割安の可能性(ただし業績悪化の懸念も) |
| 15倍前後 | 平均的な水準 |
| 25倍以上 | 割高の可能性(成長期待が高い場合も) |
倍率が低ければ割安、高ければ割高と判断される傾向があります。 平均は「15倍前後」と覚えておくと良いでしょう。
具体例で理解する
たとえば、以下のような2つの株があるとします:
| 項目 | ケース① | ケース② |
| 株価 | 1,000円 | 5,000円 |
| 1株あたり利益(EPS) | 60円 | 400円 |
| PER | 約16.67倍 | 約12.5倍 |
一見すると、株価が高い「5,000円」の方が割高に見えますが、PERで見るとむしろ割安の可能性があることがわかります。
PERの注意点
ここまでの説明だけでは、「PERが低い株=良い株」「PERが高い株=ダメな株」と思いがちですが、それは誤解です。
- PERが高くても、将来の成長が期待されている企業であれば、株価はさらに上昇する可能性があります。
- 例えば、PERが200倍でも、翌年の利益が10倍になれば、PERは20倍に下がります。
- 成熟企業では15倍前後が目安ですが、成長株では30倍〜100倍以上も珍しくありません。
つまり、PERだけで判断するのではなく、PBRやROEなど他の指標と組み合わせて総合的に判断することが重要です。
まとめ:PERの使い方
- PERは「株価が利益に対して割高か割安か」を判断するための基本指標。
- 平均は15倍前後。低ければ割安、高ければ割高とされる。
- ただし、成長性や業種によって適正PERは異なるため、単独で判断しないこと。
- 他の指標(PBR・ROE)と組み合わせて、企業の価値を多角的に評価するのがベスト。