フジオフードG本社(2752)徹底解説|株主優待と成長戦略
はじめに
外食産業はコロナ禍からの回復期を経て、インバウンド需要や新しい食文化の広がりを背景に再び成長が期待されています。その中で 株式会社フジオフードグループ本社(フジオフードG本社) は、全国規模で飲食ブランドを展開しつつ、株主優待制度を導入している点で投資家から注目を集めています。今回は、株主優待の魅力と成長戦略を中心に徹底解説します。
企業紹介
フジオフードG本社(2752)は、2005年に設立された外食産業の持株会社で、全国に幅広い飲食ブランドを展開しています。代表的なブランドには「まいどおおきに食堂」「串家物語」「つるまる饂飩」などがあり、ファミリー層からビジネス層まで幅広い顧客層を獲得しています。
なぜ今この企業を分析するのか
1. 外食需要の回復とインバウンド需要の追い風
- 2025年に入り、国内外の人流回復や訪日外国人の増加により、「まいどおおきに食堂」や「串家物語」など主要業態の既存店売上は前年を上回る水準に戻っています。
- メニュー刷新や期間限定フェアも集客に寄与し、外食需要の底堅さが確認されています。
2. 利益面での厳しさ
- 2025年12月期第2四半期の営業利益は前年同期比 62.6%減、経常利益は 75%減 と大幅減益。
- 原材料価格の高止まり、エネルギーコスト上昇、最低賃金引き上げによる人件費増が収益を圧迫しています。
- 第3四半期累計でも経常利益は前年同期比 55%減と厳しい状況。
3. 通期予想は据え置きだが課題山積
- 通期計画は売上高約322億円、営業利益約6億円を見込むものの、利益率は大幅に低下する予想。
- 下期は「コスト圧縮」と「店舗運営効率化」が不可欠とされており、改善余地が注目されています。
4. 株主優待の人気と投資家の関心
- フジオフードG本社は「食事券」や「レトルトカレーセット」など選べる株主優待が人気で、個人投資家からの支持が厚い優待銘柄です。
- 一方で、業績の不安定さが株価の評価を抑えており、優待狙いの投資と業績リスクのバランスを見極める必要があります。
フジオフードG本社(2752)株主優待内容
| 保有株数 | 優待内容 | 年間合計(参考) |
|---|---|---|
| 100株以上300株未満 | 自社グループ食事券 3,000円分 または 自社商品(レトルトカレーなど) | 3,000円分相当 |
| 300株以上1,000株未満 | 食事券 6,000円分 または 商品セット | 6,000円分相当 |
| 1,000株以上 | 食事券 12,000円分 または 商品セット | 12,000円分相 |
企業概要
グループ全体の事業構造(持株会社の役割)
- フジオフードG本社は純粋持株会社であり、グループ各社の経営管理を担っています。
- ミッションは「食を通じて人々の生活を豊かにする」。
- 経営理念は「お客様第一」「地域社会への貢献」「挑戦と成長」。
主な子会社・事業セグメント
飲食事業
- ブランド例:「まいどおおきに食堂」「串家物語」「つるまる饂飩」「かっぽうぎ」など。
- 全国規模で直営・FC店舗を展開。2025年時点でグループ全体で約1,000店舗規模。
商品事業
- レトルトカレーや冷凍食品など自社商品を開発・販売。
- 株主優待品としても提供され、ブランド認知度を高めている。
海外事業
- アジアを中心に「串家物語」などを展開。
- インバウンド需要との相乗効果を狙う。
売上・利益のセグメント別比率(2025年3月期)
| 事業セグメント | 売上高(百万円) | 売上構成比率 | 営業利益(百万円) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 飲食事業 | 29,000 | 90% | 1,200 | 4.1% |
| 商品事業 | 2,500 | 8% | 150 | 6.0% |
| 海外事業 | 700 | 2% | 30 | 4.3% |
| 合計 | 32,200 | 100% | 1,380 | 4.3% |
数字から見る課題
飲食事業
- 売上の約9割を占める基幹事業。
- 利益率は4%前後と低め。原材料高騰や人件費増が収益を圧迫。
商品事業
- 優待品や家庭需要で売上拡大中。
- 利益率は比較的高いが規模はまだ小さい。
海外事業
- 売上は全体の2%程度と限定的。
- 成長余地はあるが、為替リスクや現地競合が課題。
全体
- 売上高は約320億円規模。
- 営業利益は黒字を維持しているが、利益率は低水準。
- コスト構造改善が今後の重要テーマ。
財務分析
売上高・営業利益・純利益の推移(過去5年程度)
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
|---|---|---|---|
| 2021年12月期 | 約270億円 | 12億円 | 7億円 |
| 2022年12月期 | 約295億円 | 10億円 | 6億円 |
| 2023年12月期 | 約310億円 | 8億円 | 4億円 |
| 2024年12月期 | 約318億円 | 6億円 | 3億円 |
| 2025年12月期(予想) | 約322億円 | 6億円 | 3.5億円 |
売上は右肩上がりで拡大しているものの、利益は減少傾向にあり、収益性の低下が課題。2025年は横ばい予想で、コスト改善が焦点となっています。
財務健全性(自己資本比率、負債比率)
| 指標 | 数値 | 説明 |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 約40%(2024年時点) | 外食企業としては比較的健全だが、投資余力は限定的 |
| 負債比率 | 有利子負債は一定水準 | 店舗拡大や商品事業投資に伴い借入依存度はやや高め |
| ROE(自己資本利益率) | 10%(2021年)→5%(2024年) | 利益率低下により資本効率も悪化 |
| 配当性向 | 約20% | 優待と併用で株主還元を実施 |
| PER | 約40倍(2025年11月時点) | 利益水準に対してやや割高 |
| PBR | 約1.2倍 | 株価は純資産に対してやや高め |
| ROE | 約5% | 収益性は限定的で改善余地あり |
※PBRについては、下記の記事で説明しています。
https://miyacci-yutaikabublog.com/2025/10/29/post-83/
※PERについては、下記の記事で説明しています。
https://miyacci-yutaikabublog.com/2025/10/29/post-90/
※ROEについては、下記の記事で説明しています。
https://miyacci-yutaikabublog.com/2025/11/02/post-107/
キャッシュフローの特徴(営業・投資・財務CF)
| 区分 | 特徴 | 説明 |
|---|---|---|
| 営業CF | プラス継続 | 安定的に黒字を維持しているが利益率は低い |
| 投資CF | マイナス継続 | 新規出店や商品開発への投資が続き、成長戦略に伴う先行投資が重い |
| 財務CF | 借入依存 | 借入金の増減が大きく、資金繰りを補うための調達が目立つ |
事業戦略・強み
各事業の競争優位性
まず、飲食事業では「まいどおおきに食堂」「串家物語」「つるまる饂飩」など全国規模で展開する多業態ブランドを持ち、幅広い顧客層を獲得しています。直営とFCを組み合わせた展開により、安定した集客力と効率的な出店戦略を確立しています。
次に、商品事業ではレトルトカレーや冷凍食品など自社開発商品を展開しています。これらは株主優待品としても提供され、ブランド認知度を高めると同時に、家庭需要を取り込む新たな収益源となっています。
さらに、海外事業では「串家物語」を中心にアジア市場へ進出しており、訪日外国人にも親しみやすいブランドを展開しています。インバウンド需要との相乗効果を狙い、成長余地の大きい分野として期待されています。
M&A・新規事業
一方で、M&A戦略は限定的であり、既存ブランドの拡張や新業態開発を中心に展開しています。トレンドを取り入れた新ブランドを立ち上げることで、顧客層の拡大と市場シェアの拡充を図っています。また、商品事業の強化によって外食以外の収益源を確保しようとしています。
海外展開や成長市場への取り組み
最後に、海外展開についてはアジアを中心に進行中ですが、まだ規模は限定的です。ただし、インバウンド需要の増加を背景に訪日外国人向けサービスを強化し、国内外でのブランド価値を高めています。
また、成長市場への取り組みとして家庭向け商品事業や体験型外食を拡充し、外食依存からの脱却を目指しています。
リスク要因
| 区分 | 内容 | 説明 |
|---|---|---|
| 業界特有のリスク | 規制・景気変動・原材料価格 | 外食業界は景気後退や酒類提供規制の影響を受けやすく、さらに原材料価格の高騰が収益を圧迫する可能性がある。 |
| グループ内の依存度 | 飲食事業への依存 | 売上の約9割を飲食事業が占めており、「まいどおおきに食堂」「串家物語」など特定ブランドへの依存度が高い点がリスクとなる。 |
| 外部環境 | 為替・金利・国際情勢 | 輸入食材の価格変動や金利上昇による借入コスト増、国際情勢の不安定化によるインバウンド需要減少が懸念される。 |
今後の展望
まず、中期経営計画としては、主力の飲食事業を基盤に新業態開発を加速させ、首都圏から地方都市への展開を進める方針です。これにより、既存ブランドの安定性を維持しつつ、地方市場での新たな顧客層獲得を狙います。
次に、商品事業の強化では、レトルトカレーや冷凍食品など家庭向け商品の拡充を進め、外食依存からの脱却を図ります。株主優待品としても提供されるため、ブランド認知度向上と安定的な収益源の確保につながります。
さらに、ESG・サステナビリティへの取り組みでは、食品ロス削減や地産地消の推進、環境負荷の低い店舗運営を強化しています。従業員の働き方改革やダイバーシティ推進を通じて、社会的責任を果たす企業像を打ち出しています。
最後に、投資家・市場からの評価については、利益率の低さから株価は割安水準にとどまっています。一方で、株主優待の高利回りが個人投資家に支持されており、安定的な成長戦略と財務改善が進めば市場評価の向上が期待されます。
まとめ
フジオフードグループ本社は、全国規模で展開する多業態ブランド力と、家庭向け商品事業による収益源の拡充を強みとしています。さらに、海外事業では「串家物語」を中心にアジア市場へ進出し、インバウンド需要との相乗効果を狙っています。一方で、利益率の低さや原材料高騰による収益圧迫、特定ブランドへの依存度の高さが課題であり、安定的な収益構造の確立が今後の重要テーマとなります。
長期保有:売上は拡大し黒字も続いているため、優待と業績の両面で長期保有に適した銘柄といえます。利益率改善が進めば、株価上昇余地も期待できます。
戦略的選択:優待を楽しみながら、業績や株価の動向を定期的にチェックし、柔軟に判断することが現実的です。特に長期保有を前提に、財務改善や成長戦略の進捗を見守る姿勢が望ましいでしょう。
参考
フジオフードグループ本社:公式サイト
フジオフードグループ本社:株主優待