製紙業界株(王子HD・日本製紙・レンゴー・大王製紙)を徹底比較

2026-01-12

はじめに

製紙業界は、私たちの生活に欠かせない紙製品を供給する重要な産業です。しかしながら、デジタル化による印刷用紙需要の減少や、ネット通販拡大による段ボール需要の増加など、環境は大きく変化しています。そのため、投資対象として企業を見極めるには、単なる売上規模だけでなく、収益性株主還元姿勢を総合的に比較することが必要です。

そこで本記事では、製紙業界の主要4社――王子ホールディングス、日本製紙、レンゴー、大王製紙――を取り上げます。

本記事では、下記表の項目を上から順に比較し、最後に最もおすすめできる企業を検討したいと思います。

項目内容比較ポイント
会社規模売上高・営業利益・純利益規模の大きさ、収益力の安定性
主要製品各社の主力商品・分野総合紙メーカーか、家庭用紙か、段ボール特化か
株価・配当利回り・優待株価水準、配当利回り、株主優待の有無投資家への還元姿勢、実利メリット
主要指標PER・PBR・ROE・配当性向割安性、資本効率、配当余力
注意点・懸念材料各社のリスク要因、業界全体の課題印刷用紙需要減少、競争激化、景気依存度など
まとめ総合評価、最もおすすめできる1社投資対象としての結論を提示

会社の規模

企業名売上高(2025年3月期)営業利益経常利益主力製品・特徴
王子ホールディングス(3861)約1兆7,066億円676億円685億円印刷用紙、段ボール、包装材など総合紙メーカー。国内最大手。
日本製紙(3863)約1兆1,824億円197億円155億円新聞用紙、生活用紙、紙パックなど。グラフィック用紙は縮小傾向。
レンゴー(3941)約9,933億円374億円392億円段ボール・板紙・包装資材。ネット通販拡大で需要増。
大王製紙(3880)約6,689億円98億円45億円「エリエール」ブランドのティッシュ・トイレットペーパー・紙おむつ。家庭用紙に強み。

まず、この数字を見ると、王子HD圧倒的に規模が大きく、利益も最大であることが分かります。

まさに業界の「総合紙メーカー」として、印刷用紙から段ボールまで幅広い分野をカバーし、国内外で存在感を示しています。

では次に注目すべき企業はどこでしょうか。 売上規模で2位につけるのが日本製紙です。新聞用紙や生活用紙を主力とし、売上高は1兆円を超えるものの、利益率は低く、構造改革が課題となっています。

さらに、段ボール分野で存在感を放つのがレンゴーです。ネット通販拡大の追い風を受け、利益率も比較的高く、投資家にとっては安定した配当利回りが魅力です。

そして、家庭用紙で圧倒的なブランド力を誇るのが大王製紙です。「エリエール」ブランドは国内で高い知名度を持ち、生活必需品分野で強みを発揮しています。ただし、利益率は低めで競争も激しいため、投資判断では慎重さが求められます。

主要製品

企業名主力分野代表商品・ブランド例
王子ホールディングス(3861)総合紙メーカー段ボール箱、段ボール原紙、紙パック「Oji Container」、機能紙(食品包装材など)
日本製紙(3863)新聞・出版・生活用紙ティッシュ「クリネックス」、トイレットペーパー「スコッティ」、研究用ワイパー「キムワイプ
レンゴー(3941)段ボール・包装資材段ボール原紙「スマートエコホワイト(SEW)」、通販用パッケージ「ラクッパ」、機能性段ボール「ウイルスレンガード」「ハイレンコート」など
大王製紙(3880)家庭用紙・衛生用品エリエール」ティッシュ・トイレットペーパー、紙おむつ「GOO.N」、大人用紙おむつ「アテント

株価・利回り・優待

企業名株価(概算)最低取得金額(100株)年間配当金(予想)配当利回り優待内容優待価値(概算)優待利回り総合利回り
王子HD
3861
約808円約80,800円24円約3.0%自社製品詰め合わせ約1,500円相当約1.9%約4.9%
日本製紙3863約1,146円約114,600円15円約1.31%自社製品詰め合わせ約1,500円相当約1.31%約2.62%
レンゴー3941約1,105円約110,500円40円約3.62%約3.62%
大王製紙3880約860円約86,000円14円約1.63%自社製品詰め合わせ約1,500円相当約1.74%約3.37%

株価・配当・優待を比較すると、総合利回りが最も高いのは王子HDです。ただし注意点として、株主優待を受けるには最低1,000株(約80万円以上)の投資が必要になります。優待込みでの利回りは確かに魅力的ですが、投資金額のハードルが高い点は押さえておくべきでしょう。

一方で、100株から優待がもらえる日本製紙や大王製紙は、比較的少額で日用品の詰め合わせが受け取れるため、生活に直結するメリットがあります。配当利回りだけを重視するなら、レンゴーが100株単位で高い配当利回りを提供しており、安定した還元姿勢が投資家にとって魅力的です。

主要指標

指標王子HD(3861)日本製紙(3863)レンゴー(3941)大王製紙(3880)
PER13.2倍赤字で算定困難9〜10倍12倍前後
PBR0.7倍0.4倍0.6倍0.5倍
ROE5〜6%赤字で算定困難7〜8%4〜5%
配当性向50.7%赤字で算定困難30〜40%40〜50%

※PBRについては、こちらの記事で説明しています。

※PERについては、こちらの記事で説明しています。

※ROEについては、こちらの記事で説明しています。

日本製紙は直近で赤字を計上しているため、PERやROEの算定が困難な点で少し例外となります。しかし、それ以外の主要3社については、PER・ROEともに日本企業の平均水準かそれ以上に割安であることが確認できます。

その中でも特に注目すべきはレンゴーです。

  • PERが約9〜10倍と低水準で、割安株として評価できる
  • ROEが約7〜8%と資本効率が高く、利益を効率的に生み出している
  • 配当性向が30〜40%程度と健全で、過度な負担なく安定的に還元可能
  • 配当利回りも約3.6%前後と高水準で、投資家にとって魅力的

これらすべての指標でバランスが取れており、指数観点ではレンゴーが最もおすすめできる銘柄といえます。

注意点

企業名注意点
王子HD(3861)株主優待は 1,000株以上保有が条件。最低投資額が約80万円と高額で、個人投資家にはハードルが高い。総合利回りは高いが、少額投資では優待が得られない。
日本製紙(3863)直近で赤字期があり、PER・ROE・配当性向が算定困難になる場合がある。PBRは低く割安に見えるが、収益力に課題。優待は100株からもらえるが、利回りは控えめ。
レンゴー(3941)優待制度はなし。配当利回りは高く割安株として魅力的だが、優待目的の投資には不向き。段ボール需要に依存しているため、景気や物流動向に左右されやすい。
大王製紙(3880)優待は100株から受け取れるが、1年以上の継続保有が条件。配当利回りは低めで、利益率もやや弱い。優待価値を重視する投資家向け。

まとめ

今回、王子HD・日本製紙・レンゴー・大王製紙の4社を株価指標や配当、優待制度の観点から比較しました。
結果として、個人的なおすすめはレンゴーか王子HDかなと思いました。
1000株買えるなら王子HD 100株ならレンゴー ですかね!

まず、王子HDは総合利回りが最も高く、業界最大手として安定感も抜群です。ただし株主優待を受けるには1,000株以上(約80万円以上)の投資が必要で、個人投資家にとってはハードルが高い点が注意点です。十分な資金を投じられる場合には、配当と優待を合わせて魅力的な投資先となります。

一方で、レンゴーは優待制度こそありませんが、配当利回りが約3.6%と高水準で、PER・PBRも低く、ROEも平均以上とバランスが取れています。100株単位から投資可能で、少額でも割安性と収益力を享受できる点が大きな強みです。

日本製紙は優待があるものの赤字期があり、指標算定が困難になるケースがあるため、割安に見えても収益力に課題があります。大王製紙は優待が魅力的ですが、1年以上の継続保有が条件で、配当利回りは低めです。

なお、今回比較した4社はいずれも PBRが1倍未満で割安水準、ROEも平均的な範囲に収まっており、総じて指標面では悪くない企業群です。