こどもNISAについて考察してみた|制度やメリットなど

2026-01-12

こどもNISAとは

2026年度から導入が予定されている「こどもNISA」は、未成年者を対象とした新しい非課税投資制度です。ジュニアNISAの後継として位置づけられ、0歳から利用可能で、年間投資枠は60〜120万円程度が検討されています。投資による利益が非課税となり、教育資金や将来の資産形成に活用できるとされています。

制度創設の背景

・ジュニアNISA廃止による未成年向け投資制度の空白

・子育て世帯の資産形成支援

・金融教育を早期から促進する狙い

政府は「教育資金の準備を効率化し、子どもの金融リテラシーを高める」ことを目的に掲げています。

賛成派の主張

・満額積み立てていくと、子供が成人になる頃には、FIREも目指せる。

年齢積立年数元本累計(120万円/年)3%運用時の概算額
0歳1年120万円約124万円
5歳6年720万円約770万円
10歳11年1,320万円約1,550万円
15歳16年1,920万円約2,420万円
17歳18年2,160万円約2,750万円

・子ども名義で投資を始めることで金融教育につながる

筆者の視点

金持ち向けの制度になりすぎていないか

平均的なサラリーマン世帯では、自身のNISAやiDeCoの枠を埋めるだけで精一杯。こどもNISAまで資金を回せるのは、資産に余裕のある家庭に限られる。

教育資金を投資で賄うリスク

中学・高校・大学進学時に必ず必要になる資金を投資に頼るのは危険です。相場が好調なら良いですが、暴落すれば半分以下になる可能性もあります。「確実に必要な資金」と「投資で増やしたい資金」を分けて考えるべきです。

さらに、余裕のある家庭であっても進学などで資金を切り崩す時期は必ず訪れますしかし投資の世界では「いつ売るか」が非常に難しい判断であり、素人が適切なタイミングで資産を取り崩すのは困難です。結果的に損失を抱えるリスクが高まるため、教育資金のように確実に必要な資金を投資に依存するのは危ういと言えます。

子ども名義で投資する意味が薄い

投資は本来、自分で稼ぎ、自分で学びながら始めるものです。子どもが18歳以降に自ら投資を学ぶ方が自然であり、親が子ども名義で投資することに教育的な意義は疑問です。

さらに、こどもNISAの最大のメリットを享受できるのは、切り崩しを考えない本当の大金持ち世帯です。教育資金として途中で取り崩す必要がなく、成人後にそのまま巨額の資産を子どもに渡せるからです。

しかし、そこで浮かぶ疑問は「親が子どもを成人後すぐに資産を譲渡させることが本当に良いのか?」という点です。資産を与えられて働かずに済む環境よりも、自ら稼ぎ、投資を学び、失敗も経験しながら成長する方が健全ではないかと考えます。

優待株投資はできない(個別株) ※制度の意図を無視した個人的な意見です。。

こどもNISAでは投資対象が制限されており、個別株による優待投資ができません。名義が一つ増えれば株主優待を複数もらえるという大きなメリットがあったはずなのに、それが活かせないのは残念です。優待株投資を楽しみにしている投資家にとっては「制度の魅力が半減している」と感じてしまうでしょう。

筆者の思う唯一のメリット

こどもNISAの最大の恩恵を受けられるのは、教育資金として途中で切り崩す必要のない富裕層世帯です。進学時に資金を取り崩す必要がなく、成人後にそのまま巨額の資産を子どもに渡せるからです。

「子どものため」というより、資産家世帯の資産形成を後押しする制度に見えてしまいます。これで経済全体が豊かになれば良いのですが、実際には格差拡大につながる懸念も拭えません。

まとめ

こどもNISAは、ジュニアNISAの後継として2026年度から導入が予定されている未成年者向けの非課税投資制度です。教育資金の準備や金融教育の推進を目的に掲げ、長期的に積み立てれば成人時に大きな資産を形成できる可能性があります。

一方で、平均的な世帯にとっては「まず自分のNISAやiDeCoを優先すべき」という現実があり、こどもNISAまで資金を回せるのは富裕層世帯に限られるという批判的な見方もあります。また、教育資金を投資に頼るリスクや、資金を切り崩すタイミングの難しさ、経済格差の拡大などの課題も多く指摘されています。

それでも、制度そのものには「教育資金を効率的に準備できる」「金融教育につながる」といったメリットがあるのも事実です。

最後に、否定的な意見が多めになりましたが、こどもNISAは使い方次第で有効な制度になり得ます。利用する際は、メリットとリスクをしっかり理解し、「確実に必要な資金」と「投資で増やしたい資金」を分けて考えること」が重要です。

参考

金融庁 NISA特設ウェブサイト

楽天証券|こどもNISAとは?2026年度税制改正で誕生か